第109号
公園の石仏、ハイランド (神奈川県鎌倉市浄明寺)
先週は逗子市のハイランド住宅地から、山道のハイキングコースを名越切通しへ辿り、安国論寺とへ歩きました。 以前に紹介した、杉本寺と衣張山 99号 に接続する道のりです。
京浜急行線・逗子駅からハイランド循環の路線バスに乗り、夕陽台公園で降ります。 ハイランドは山の上に開かれた団地で、西端はかっての尾根筋に当たり歩道が北から南へ通ってます。
山道へ入ると展望台とパノラマ台への道が分岐します。 どちらも由比ガ浜から稲村ガ崎方面への眺めがありましたが、曇りがちの日でスッキリしません。 こんな暑い時期に、この辺りを歩くのもどうかと思うような季節です。公園のハス池、ハイランド
西側の歩道、ハイランド
パノラマ台から、ハイランド〜法性寺
展望台への道、ハイランド〜法性寺
ヒメジョオン、法性寺〜名越切通し
大切岸と逗子の街並み、ハイランド〜法性寺 (鎌倉市大町)
尾根沿いの山道を歩いて行くと木のチップを敷き詰め、逗子方面の眺めが良い場所に出ます。 ここから法性寺にかけて、南側の崖を「大切岸」と呼ぶようです。 現地では何処の事を言うのか良く分かりませんでした。
法性寺の降り口の近く、道に沿って数メートルの高さに石を切出した崖があり、うっかりすると足を踏み外しそうな所もあり、そこも大切岸の一部のようです。 傍らに石廟と云われる石像がある場所です。
奥の院、法性寺 (神奈川県逗子市久木)
法性寺は尾根筋から南へ少し降りた所にあります。 墓地を抜けた先、開けた場所にお堂が二つ建ってます。 本堂や山門はかなり下に在るようです。
山号は猿畠山、宗派は日蓮宗です。 長栄山(池上本門寺)、長興山(鎌倉市の妙本寺)両山奥之院と扁額に記されてます。 文応元年(1260)8月27日、日蓮上人の松葉ヶ谷法難の際に山王権現の使いの白猿に導かれ、この地の岩屋に難を逃れたと伝わります。 奥の院の左側にその岩窟が祀られてます。
また日蓮上人の直弟子、日朗上人の墳墓霊場もあります。 写真左手、山王権現の鳥居をくぐり、急な石段を上った岩の上に、多宝塔があり逗子方面の眺めが良い。ツユクサ、ハイランド〜法性寺
第一切通し、名越切通し (逗子市小坪)
山道、名越切通し〜長勝寺
法性寺から再び尾根筋のハイキングコースに戻り先へ進むと、名越切通し。 鎌倉七口の切通しの一つです。 標識のある場所は尾根を越える峠のような場所で、道の真ん中に「置石」と言って、通行を妨げる様な大石が往時の姿を偲ばせます。 ここで安国論寺への道が降りて行きますが、この先に第一切通しがあるので見に行きましょう。 こちらは幅2m位の狭い岩盤に挟まれた、いかにも鎌倉の防衛線らしい景観です。 反対側へ少し降りると亀ヶ岡団地です。
山門、長勝寺 (鎌倉市材木座)
法華三昧堂への石段、長勝寺
アジサイ、名越切通し〜長勝寺 (鎌倉市大町)
名越切通しから北へ降りると横須賀線のトンネルの上に出ます。 辺りはアジサイで一杯ですが、もう花の盛りは過ぎてしまいました。 線路沿いにしばらく進むと長勝寺の入り口です。
石井山長勝寺、日蓮宗の寺です。 この地の石井長勝邸に日蓮上人が庵を結んだのが始まりとされます。 京都の本圀寺の前身と伝わり京都に移った後、現在の寺号になりました。 帝釈堂の前、四天王を従えた日蓮上人辻説法像が建ちます。日蓮像と帝釈堂、長勝寺
アジサイと社、長勝寺〜安国論寺
本堂、安国論寺 (鎌倉市大町)
長勝寺から安国論寺へは横須賀線線路を渡って300m程です。 安国論寺の山号は法華経山、日蓮宗の寺です。 ここは日蓮上人の松葉ヶ谷小庵のあった場所です。 小庵の岩屋で「立正安国論」を執筆しました。
文応元年(1260)7月16日、前執権、北条時頼に立正安国論を建白しました。 それが原因で庵が襲われ、「松葉ヶ谷の法難」と言われてます。 裏山に一時避難した南面窟がありますが、法性寺のそれと同じ様な謂れです。
裏山の一帯に周回路があり、日朗上人の荼毘所、南面窟や鐘楼、富士見台を見て回れます。 日朗上人はここで荼毘に付された後、妙性寺に葬られたようです。
ここからJR鎌倉駅までの間にも立ち寄りたい寺が多くありますが、またの機会にします。 駅まで1.4km程です。山門、安国論寺
御小庵、安国論寺
日朗上人御荼毘所、安国論寺
アジサイと十三重塔、安国論寺